アジアがんフォーラムが考えるアジアがんUHCに資するデータとは、がんという病の周辺に起きる医学的側面にとどまらない文化的・社会的側面も持つ現象の束すべての記録であり、人々の生々しいナラティブで描かれる世界と、科学の言葉で綴られるデータの世界を結びつける叙述のシステムである。
がん医療は診断から治療を継時的に、患者を追いかけた時間的経緯のなかでたどったデータでなければ医療実態を把握し難い性質のものであり、そこには多種多様なデータとステークホルダーの立場の違いによるデータの解釈の違いが存在している。医薬品においては、副作用や効果がアジアの人種に特有なプロファイルを示すものも少なくないことに加えペーシェントジャーニーの終盤に向かっては、文化的背景の影響を色濃く受ける。
アジアがんフォーラムは、医学は普遍であるが医療はローカルであるという信念のもと、アジア地域の診断・治療の実態とその社会的背景、疾病観、医療実態に則した「データ」の適切な収集のあり方を他分野の専門家らとの協働によって模索する。
QOL指標研究
前立腺癌に関するHRQoLの主成分分析